りゅーてつ日和!

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混色電車のはなし

5003編成"あかぎ"および5005編成"なの花"の不調にともない、車両不足解消のための臨時措置として、両編成の1両どうしを連結した混色編成が2021年11月末から2023年8月まで運行されました。
流山線を運行していくためには、「運用2本+メンテナンスおよび予備用1本」の計3本が必須です(予備なしの2本でも理論上は可能ですが、現実的に厳しいものがあります)。しかし、この3本を下回りかねない危機が発生したため、急遽組成された編成が「オムライス電車」として一躍有名になった混色電車です。
2021年10月まで
長らく"なの花"の不調が続いている状態(運行中に突然自走できなくなったりすることがあった)。ただ他に使用できる編成が3本あるため、"なの花"は実質予備車として他3編成で運用を回していくスタイル。
5001F
 
5002F
 
5004F
 
5003F
 
×
×
全般検査中
5005F
 
調子が悪い
 
2021年11月
"若葉"の検査期限満了が12月頭に迫る。本来それと入れ替わりに"あかぎ"の検査が終了し運用へ復帰するはずだが、"あかぎ"は不調。検査が終了するめどがたたない。
このまま行くと、使用可能編成が"さくら"と"流星"の2本のみになってしまう。2本のみでも列車の運休を行わずに回せる(表面上は普段通りどうにかなる)が、車両メンテナンスを深夜から早朝の電車が動かない時間帯に行わなければならなくなるなど現場の負担が異常に増加してしまうので、それは可能な限り避けたい。
5001F
 
5002F
 
5004F
 
期限迫る
5003F
 
×
復帰できず
5005F
 
調子が悪い
 
2021年11月末~12月頭
"なの花"の不調は片方が原因と予想され、もう片方は使えそう。"あかぎ"も片方が不調で、使えるのは"なの花"と反対の車両。
そこで、使える車両どうしを連結させれば、塗装は異なってしまうがどうにか最低限の3本目が確保できる、という考えのもと混色電車を組成。これまでの伝統を打破し急遽誕生させた編成は無事に稼働し、窮地を救った。
このように、混色の電車はやらざるをえなくなってやったという認識が正しい。逆手にとって宣伝されていたりはするが、「おもしろいからやってみた」程度のノリで誕生したものでは決してない。
5001F
 
5002F
 
混色
 
臨時組成
5004F
 
×
×
期限切れ
不調組
 
×
×
両車不調
 
2022年2月
"あかぎ"・"なの花"の残された各1両は、ともに不調の原因が特定され、部品交換等で無事に復活。
どちらも直ったのでさっそく本来の編成に戻したいところだが、終電後に編成を組み替えて次の早朝から運用開始、などということはできない。組み替えた際には入念な試運転が必要で、組んだ編成をバラすとなると運用から一旦離脱させる必要がある。
しかし、混色電車を運用から離脱させると、昨年12月同様の使用可能編成が2編成のみという状況に逆戻りしてしまう。残念ながら混色電車をバラすことはできない。そのため、復活した車両でもう1本混色の電車を組成。
(このあと8月には"さくら"の検査期限が満了し、それまでに"若葉"の検査が終わる見込みはない。つまり、ここで"あかぎ"と"なの花"をどういう形であれ走れるようにしておかないと、8月の"さくら"期限満了時に使用可能編成が2本しかないという危機的状況に再び陥ってしまう。)
5001F
 
5002F
 
混色①
 
このまま
混色②
 
復活、組成
5004F
 
×
×
全般検査中
 
2022年8月
"さくら"検査期限満了。混色という形ではあるが、"あかぎ"と"なの花"が稼働できる状態のため、最低本数の3本は引き続き確保できている。
5002F
 
混色①
 
混色②
 
5001F
 
×
×
検査期限切れ
5004F
 
×
×
全般検査中
 
2022年12月
"若葉"、ニューカラーで復活。
"なの花"の検査期限満了は次の8月下旬。そのため、8月中には混色電車が2本ともに動けなくなる。それまでに"さくら"の検査を終了させないとこれまでせっかく回避してきた使用可能編成が2本のみ("流星"と"若葉"のみ)の状態になってしまうため、それを見据えた"さくら"の重要部検査が急ピッチで始まる。
5002F
 
混色①
 
混色②
 
5004F
 
復活
5001F
 
×
×
重要部検査開始
 
2023年8月上旬
"さくら"の検査が"なの花"の検査期限満了直前に無事終了、復活。
"さくら"・"流星"・"若葉"と混色以外で使用できる編成が3本確保できたため、ようやく混色を正規状態へと戻す準備が整った。混色2本は"なの花"検査期限切れのタイミングで運用を離脱。
5001F
 
復活
5002F
 
5004F
 
混色①
 
×
×
離脱
混色②
 
×
×
離脱
 
2023年8月下旬~
"なの花"の全般検査が開始、戻った"あかぎ"は試運転で異常がなければ正規状態で復活すると思われる。
5001F
 
5002F
 
5003F
 
復帰予定
5004F
 
5005F
 
×
×
全般検査
1979年の愛称付電車導入以来、混色の電車が運行されるのはこれが初めてでした(馬橋→流山での新車両の牽引は除く)。先述の通り、これまでの伝統を破って誕生した混色電車が問題なく稼働したことによって、流山線は通常通り運行を続けられたといえます。必ずしもハッピーな理由から生まれたわけではない混色電車ですが、この編成が流山線の危機を救ってくれたことは確かな事実です。「オムライス電車」、ありがとう。
 
◇       ◇
Mc5105
Mc5003
←馬橋    流山→
 
◇       ◇
Mc5103
Mc5005
←馬橋    流山→
※「愛称付電車導入以降」だと混色の車両が運行されるのは初めてですが、「流山線の歴史全体」で考えた場合だとおそらく初めてではありません。1916年開業の路線、これまで多彩な車両が流山線を走ってきました。蒸気機関車が主力だった時代、戦後すぐの雑多な車両が使用されていた頃、旧型電車の塗装変更が行われていた頃、さまざまな場面で「塗装の異なる車両が連結された編成」は運行されていたと考えるのが妥当です。よって「混色列車は流山線で初だ」と言うのは誤り(厳密にいうと説明不足)となります。